うっかり見落としやすい代襲相続

2022年8月30日

代襲相続の定義

被相続人の配偶者は、常に相続人となりますが、その他にも被相続人の子、直系尊属(父母、祖父母など自分の血のつながりのある先祖をいいます。)、兄弟姉妹がいる場合には、この順番に従い、相続人となります。
代襲相続とは、本来相続人となる被相続人の子又は兄弟姉妹がすでに死亡していた場合等に、その者の子が代わって相続することを指します。
ただし、代襲相続にはそれが生じる範囲が限定されています。実は私もうっかり見落とすことがあります。戸籍の収集に熱心なあまり調査対象の位置が分からなくなってしまって見落としてしまいます。

代襲相続の範囲

子どもや孫等の直系卑属(自分と血のつながりのある子孫【血族】をいいます。)が相続人のケースがよくありますが、この場合は直系卑属が連続する限り続くことになり限定されません。一方、相続人が兄弟姉妹であるケースは、その兄弟姉妹の子(被相続人の甥・姪)までしか代襲相続は生じません。すなわち、被相続人の甥・姪が死亡していた場合でも、甥・姪の子が相続人となることはありません。また、兄弟姉妹について相続欠格や排除があった場合、兄弟姉妹の子に代襲相続は生じません。うっかり見落としやすいところです。

相続欠格:特定の相続人が民法891条の相続欠格事由に当てはまる場合に相続権を失わせる制度のこと
相続排除:相続人から虐待を受けたり、重大な侮辱を受けたりしたとき、またはその他の著しい非行が相続人にあったときに、被相続人が家庭裁判所に請求して虐待などした相続人の地位を奪うこと

養子縁組をした場合

では、養子縁組(普通養子縁組のことをいい、家庭裁判所の審判によって行われる特別養子縁組を除きます。)をして戸籍に入ってきた者の場合はどうなるのでしょうか?ここでいう養子とは婿入りのことではなく、自然の親子関係にない子、血のつながりのない子のことをいいます。被相続人が養子縁組をしており、その養子がすでに死亡していた場合に、その養子の子が代襲相続をするかは、養子の子が生まれた時期により異なります。
養子縁組の日より前に、養子の子として生まれた者は、養親との間に血族関係は生じず、養親の直系卑属ではなく、代襲相続は生じません。一方、養子縁組の日以降に、養子の子として生まれた者は、養親との間に血族関係が生じ、養親の直系卑属となり、代襲相続が生じます。

養子について

代襲相続からちょっと離れてしまうのですが、養子という言葉が出てきたので注意したい点をもう一つ。子どもがいる人と結婚し、その人が亡くなった場合にどうなるかというと、結婚後あるいは結婚と同時に、結婚相手の子、いわゆる連れ子と養子縁組をしていれば、実子とまったく同じ身分となりますから、子ども全体を人数分で等分したものがそれぞれの子の相続分になります。しかし、連れ子と養子縁組していない場合、法定相続は実子のみとなってしまいます。ただし、法定相続人でない連れ子にも、遺言によって遺産を残すことはできますのでご安心を。