相続土地国庫帰属制度について

2023年3月30日

令和5年4月27日から相続土地国庫帰属制度がスタートします。行政書士は、申請者本人に代わってこの制度における申請書類作成を代行することができます。

相続土地国庫帰属制度とは

簡単に言うと、相続放棄できず、いやいや相続することになってしまった利用しない土地を国に引き取ってもらう制度です。自分にとっては利用価値のない土地を国に押し付ける一つの方法というべきでしょうか。もっとも国もタダでは動いてくれません。また、土地の上に建物が建っているとダメだとか厳しい要件があります。

要件につて

申請者要件

相続または遺贈(法定相続人に対する遺贈に限られます。)により土地を取得した者です。共有土地でも構いませんが、その場合は共有者全員で申請する必要があります。

土地要件

以下のいずれでもダメです。

  1. 建物が建っている土地
  2. 抵当権などの担保権または使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
  3. 現に通路やため池等の用に供している土地や、墓地や境内の土地
  4. 特定有害物質により汚染されている土地
  5. 境界が明らかでない土地、その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地
  6. 崖(勾配が30度以上であり、かつ高さが5メートル以上のもの)がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要する土地
  7. 土地の通常の管理又は処分を阻害するような工作物、車両や樹木などが地上にある土地(森林・山林において樹木がある場合を除く。)
  8. 除去しなければならないような産業廃棄物などが地下にある土地
  9. 隣接する土地所有者などとの権利の関係で争訟によらなければ管理・処分をすることができない土地
  10. その他、通常の管理又は処分するに当たり過分の費用又は労力を要する土地

費用について

審査手数料

令和4年度中に政令にて示される予定です。土地一筆ごとに計算することになっています。

収入印紙を申請書に貼って納付します。

【令和5年3月30日決定事項】

 審査手数料の金額は、土地一筆当たり14,000円となります。

 申請時に、申請書に審査手数料額に相当する額の収入印紙を貼って納付します。

負担金

原則は面積に関わりなく20万円ですが、土地の種目が宅地や田・畑や森林である土地のうち、以下の場合は例外的に面積区分により算定します。

  1. 宅地
    • 都市計画法の市街化区域又は用途地域が指定されている地域内の土地
  2. 田・畑
    1. 都市計画法の市街化区域又は用途地域が指定されている地域内の土地
    2. 農業振興地域の整備に関する法律の農用地区域内の農地
    3. 土地改良事業等の施行区域内の農地
  3. 森林
    • 全て

※法務省ホームページに、負担金の自動計算シートが掲載されています。

https://www.moj.go.jp/content/001380792.xlsx

負担金の通知が到達した翌月から30日以内に納入告知書を添えて各種金融機関で納付します。

しんぽ事務所三つ折りリーフレット