おひとりさまに対して行政書士ができること

先日、40代の女性の方からお電話がございました。「独身で身寄りがありません。自分が死んでいった後などどうなるのかが心配です。任意後見ということを聞いたのですが。借家住まいで大家さんにご迷惑をかけたくないので。」との訴えです。

独り身で自分の将来が不安なこと、よくわかります。年齢的に緊急性はないものの、この方は自分のことで他人に迷惑をかけたくないという強いお気持ちをお持ちでしたので、まずは不安を少しでも軽くして差し上げようと思い、後見といっても法定後見と任意後見があるということから先にお話しました。「身寄りのない方は認知症など判断能力が著しく低下した場合に備えて必ず任意後見契約を結んでおかなければ他人に迷惑がかかるというものではなく、法定後見という手だても法は用意してありますよ。」という主旨の私の答えに少し安堵されているようでした。

老後の心配と聞くと、「見守り契約や生前事務委任契約、任意後見契約、死後事務委任契約を結びましょう。そして遺言も残しておきましょう。遺言は公正証書の方がいいですね。」と決めてかかって話を進めてしまう人がいるかもしれませんが、われわれ行政書士の仕事の本質はそれではありません。相談者に常に寄り添い、それが漠然とした不安であるならば、何を一番不安に思っていらっしゃるのかを明らかにし、それにベストな答えを導き出して、それを実行に移していくということが行政書士の仕事の真骨頂だと思うのです。商品を売りつけるセールスマンでもなければ、役所に提出する書類を代わりに書くだけの代書屋でもありません。

たとえば、高齢の独身女性が家を立ち退かなければならなくて困っているとき、何からどう進めていけばよいかの手続きが煩雑で困っているとしたら、「引っ越し業者の選定」「引っ越しに伴う住民票の移動」「郵便局への郵便物転送要請の手続」「引っ越し先への民生委員への連絡」「銀行預金の住所移転通知」「知人に転居通知の作成発送」などに対して行政書士としてそのお手伝いができます。また「年金受給関係の諸手続き」を社会保険労務士に手配することもできます。そう考えると行政書士の仕事は無限に広がります。私は今後ともこの仕事に誇りをもって歩んでまいりたいと考えております。

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コラム

Posted by shimpojimusho