相続の手続をしたい
財産の相続には、預貯金の払い戻しから土地の名義変更、相続税の問題、遺産分割協議書の作成など多くの手続きが必要となります。
そんな時、しんぽ事務所なら他の専門家と協力し、相続に関係する様々な手続きをスムーズに進めることができます。
業務の流れ
例:親がなくなり今後の手続きをどうしたらよいのかわからない。
相続について
遺言書の有無の確認
遺言書の有無を確認する
遺言書がある場合、故人の意思により法定相続分とは異なる配分で財産を配分したり、相続人ではない人に財産を分けたりすることができます。遺言書の存在を知らされていなかったとしても、遺言書がのこされている可能性があります。故人が大切なものをしまっていた保管場所などを調べて、遺言書がのこされていないか確認しておきましょう。
- 自宅
- 貸金庫
- 信託銀行
- 公証役場
- 法務局
- その他
遺言書の検認をする
故人が亡くなった後、遺品整理などをして自筆遺言証書が発見された場合には、発見者はその遺言書を開封してはいけません。遺言書が見つかった場合には、開封せずに家庭裁判所へ持って行き、遺言書の「検認」をしてもらう必要があります。検認とは、遺言書の偽造や改ざんを防ぐために、内容はもちろん、日付や署名、どのような紙で書かれているかなどを調べて、遺言書の存在を確認することです。家庭裁判所で検認の手続きが完了すると、遺言書に添付する検認済み証明書が交付されます。
相続人の調査
相続人になれる人を把握する
遺産分割は、遺言書がある場合には遺言書に従い、ない場合には相続人同士の話し合いで決まります。民法で定められている相続人の範囲を「法定相続人」といいます。
配偶者は常に法定相続人となりますが、そのほかの血縁者には順位が決められています。第1順位である子どもなどが法定相続人になった場合には、第2順位の父母などや第3順位の兄弟姉妹などの血縁者は法定相続人にはなれません。
第1順位の子どもが亡くなっていた場合、その子(孫)がいれば相続人になります。第3順位の兄弟姉妹が亡くなっていたら、その子である甥・姪が相続人になります。これを「代襲相続」といいます。
相続人の調査は、故人の戸籍を遡って厳密に行う必要があります。戸籍をさかのぼるうちに、家族のだれも存在を知らなかった子どもを故人が若い頃に認知していたということも珍しい話ではありません。後々のトラブルを防ぐためにも、戸籍を漏れなく取得して、相続人が誰であるかを明確にすることが必要です。
特別寄与料の請求
相続法の改正により、法定相続人でない親族も、生前に故人の看病や介護などをしていた人は遺産分与を請求できるようになりました。これを「特別寄与料」といいます。たとえば、長男の妻が義理の父親の介護や看病などに貢献していた場合に金銭を請求することができるようになりました。
基本的に特別寄与料は各相続人の話し合いで決まりますが、話し合いがまとまらない場合、あるいは話し合いができない場合には、家庭裁判所に寄与料を定める処分を請求します。家庭裁判所への請求は、特別寄与者に当たる人が相続の開始を知った時から6カ月以内、または相続開始から1年以内に行う必要があります。
遺留分の権利について
相続は基本的に亡くなった故人の意思を尊重します。そのため、遺言書があった場合、その遺言の内容が最優先になります。法定相続人の相続分を大幅に下回る遺言も可とされます。そこで、民法では相続人が最低相続できる財産を「遺留分」として定めています。たとえ遺言書があったとしても、遺留分を主張すれば、その権利の範囲の財産については侵害することができません。
侵害された遺留分を請求するためには、遺言書により財産を相続した人に対して「遺留分侵害額請求」をする必要があります。
相手に遺留分侵害額請求を送ったら、その後、具体的な遺留分金額を双方で話し合い、合意をしたら合意書を作成して、その内容に従って遺留分を金銭で受け取るという流れになります。
相続財産の調査
相続財産を把握する
相続をするにあたり、どのようなものが相続財産に該当するのか、また相続財産がどこにあるのか確認しましょう。
相続財産は現金や預金だけではありません。株や証券などの有価証券、不動産、車、高級な腕時計なども相続財産として考えられます。
また、プラスになる財産だけでなく、借金やローン、滞納した税金なども、相続では財産として扱われます。
相続財産の相続・放棄は選ぶことができる
相続財産の全体を把握してみると、実は借金やローンなどの負債の方が多かったということもあり得ます。そういったケースでは、相続財産を相続せずに放棄することができます。これを「相続放棄」といいます。原則、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ相続財産を放棄する手続きをしなければなりません。
また、あとから負債が見つかるかもしれないなど、相続財産が明確でない場合、故人の財産の中から借金を支払う相続の方法があり、これを「限定承認」といいます。例えば1億円の相続財産があり、限定承認して相続した場合、あとから2億円の借金があるとわかったとしても、相続財産で1億円だけを支払い、残された1億円の借金は支払う必要がなくなるのです。自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ共同相続人全員で限定承認の申述をする必要があります。
遺産分割協議
遺産の分け方を決める
遺言書がない場合、相続人全員で話し合って遺産の分割方法を決めます。これを「遺産分割協議」といいます。未成年者や認知症の方などが相続人である場合には、親戚者や成年後見人、特別代理人などが相続人の代わりに遺産分割協議に参加します。
遺産分割協議を行った結果、相続人全員が協議の結果に合意できたならば、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書は不動産の登記や名義変更、銀行預金の払い戻しの手続きなどでも必要になってくる書類です。
配偶者居住権
これまで、故人の配偶者は遺産分割の関係で住み慣れた住居を馬脚せざるを得ないケースや、自宅を相続財産として相続した結果、現金をほとんと手にすることができないといった問題を抱えていたため、相続法が改正され、故人の配偶者が故人と同居していた建物の所有権を相続しない場合でも、「居住権」を取得すれば、終身又は一定期間、その建物に住み続けることが認められる権利が創設されました。この権利のことを「配偶者居住権」といいます。配偶者居住権は、故人が亡くなった際に遺贈や遺産分割協議によって取得することができ、自身が亡くなるまでこれまで住んでいた自宅に無償で住むことができます。
また、「配偶者居住権」を仮に取得しなくても、「配偶者短期居住権」により、被相続人が居住していた建物に、特に届出などしなくても、配偶者は一定期間住み続けることができるようにもなりました。
遺産整理と相続手続
銀行預金の相続手続
銀行は預金者が亡くなったことを知ると、その口座を凍結します。銀行預金を相続するには、故人の口座の凍結を解除し、預けている預金をまた使えるようにするための手続きが必要です。
一般的には、戸籍謄本・手続きを行う方の本人確認書類・通帳・キャッシュカードなどが必要です。遺言がある場合には、遺言書と検認済みの証明書、遺言書がない場合には、相続人全員の印鑑証明や遺産分割協議書の提出が求められます。
なお、凍結中の口座であっても、相続人であれば他の相続人の合意がなくても預金を引き出すことが可能になりましたが、引き出しできる預金額には上限があるので注意が必要です。
株式など有価証券の相続手続
株式・投資信託・国債など、故人が保有していた有価証券を相続する場合も、預貯金の相続と同様に名義変更などの手続きが必要です。
不動産の相続手続
家や土地などの不動産を保有している人が亡くなって不動産を相続する場合には、登記の手続きが必要です。不動産を売却して換価(換金)する場合であっても、いったん不動産の名義を相続人に変更してから行います。名義変更するには、不動産を管轄する法務局に、必要書類と登記申請書を提出します。
なお、遺言や遺産分割協議などで、法定相続分より多い割合の遺産を取得した場合、その遺産ごとに登記の手続きが必要です。
自動車の相続手続
故人が自動車を所有していた場合には、自動車の名義を相続人に変更する手続きが必要になります。
管轄の陸運局に移転登録申請書を提出します。申請書のほか、自動車車検証、戸籍謄本、遺産分割協議書、所有者となる相続人の印鑑証明書、所有者となる相続人の実印、車庫証明書などが併せて必要になります。